細井研究室

立命館大学

立命館大学:映像学部

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テレビゲームと癒し
香山リカ、岩波書店、1996年

最近、テレビゲームが脳波に与えるという話が取り沙汰されているが、テレビ ゲームの与える影響について話がされる際、十分な検証がなされていないもの も多くある。この本は、精神科医である著者の臨床経験をもとに感じたことや テレビゲームが人に与える影響についての考えが書かれている。中でも実際の 患者さんとのテレビゲームを通したやりとりには、興味を持った。

 

第1章 テレビゲームと私
テレビゲームと私の出会いから、テレビゲームには癒しとも関係するのでは ないか?と思うまでの過程が描かれている。

第2章 ゲーム批判の系譜
188年の事件をきっかけに始まったテレビゲーム批評。ゲーム好きな人は ゲームを擁護し、ゲームに不信感を持っていたり、ゲームを嫌う人はゲームを 批判する傾向があるとも述べられている。この章は、好き嫌いといったものを 除いた科学的な研究が必要であると締めくくられている。現在も、テレビゲーム を科学的に研究するということは、あまりなされていない。

第3章 精神医学とテレビゲーム
精神科医は、他の専門家とは違うようテレビゲームを捉えているのではないか? と述べられている。

 

第4章 私の臨床体験から
実際にテレビゲームをしている子どもとの関わりが描かれていて興味深い。 データとして表すことや、理論的に裏づけされているということはないが、 子どもと深く関わった上での考察だけに、面白い。

 

第5章 テレビゲーム療法・試論
理論としてまとめられていないと断りを入れながらも、臨床経験をテレビゲーム という視点から振り返り、“テレビゲーム療法もどき”としてまとめている。

 

 

(文責:奥村 明子)

 

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