細井研究室

立命館大学

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ホモ・ルーデンス
J・ホイジンガ、高橋英夫訳、中公文庫、1973年

本書は、それまでに行われてきた遊びの断片的な理論や、遊びに対する偏見的な考えを批判し、全世界の様々な文化現象の中に遊びの要素がみられることを多くの例をとって解説することで、文化が遊びとして発生、展開したことを明らかにする。遊びとは何かという問題に文化人類学的な視点によって包括的に考察した古典的著作である。

 

第一章 文化現象としての遊びの本質と意味
遊びとは何かという問題について、それまでに行われてきた遊びの定義や議論を批判し、遊びの最も重要な「面白さ」と、「遊び」とは何かを示す定義を、様々な遊びの形式や特徴を参照しながら明らかにしてゆく。

第二章 遊び概念の発送とその言語表現
ここでは、世界各地の民族が持つ、遊びを指し示す言語表現を比較分析し、その民族によってみられる遊びの定義がどのようなものであるかを探り、言語表現から見られる遊びの定義とその発展を論考する。

第三章 文化創造の機能としての遊びと狭義
ここでは、多くの民族がもつ「闘争」や「祭祀」といった文化現象から、対立性のある具体的な遊びを取り上げて比較することで、文化が遊びの形式の中で成立し、発展してきたことを論証する。


第四~十章
第四章から十章までは、第三章によって提示した、文化現象における遊び性が根源的なものであることの、具体的な事例と論考を行う。第四章から順に、「遊びと法律」、「遊びと戦争」、「遊びと知識」、「遊びと詩」、「詩的形成の機能」、「哲学の遊びの形式」、「芸術の遊びの形式」についてそれぞれ考察する。

 

第十一章 「遊ビノ相ノモトニ」見た文化と時代の変遷
ここまでは過去の文化における遊びとの関連を考察してきたのに対し、この章からは現代社会における遊びをどのうように見つけることができるかを、再度文化の歴史を過去から現在まで追いながらながら論考してゆく。

 

第十二章 現代文化における遊びの要素
最終章では、前章の考察によって明らかにした、時代の変遷による遊びの要素の欠如が、現代文化においてはどのような展開にいたったかを論考し、文化において依然として遊びの要素が不可欠であることを主張する。

(文責:真下 武久)

 

 

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