ゲームぷらぷら3 セッション1
「韓国ネットゲームの魅力と実力」

【奥村】

 「game++3」は午前と午後の2つのセッションで行われ、各セッション毎に2000字程度でレポートしています。各セッションはそれぞれ、セッション1「韓国ネットゲームの魅力と実力」、セッション2「ゲ−ム的ポテンシャルの可能性を探る」という構成で行われました。

■セッション1について

 セッション1は日本への展開が予想されるネットワークゲームに精通なさっているお二方に韓国よりおいでいただき、「韓国ネットゲームの魅力と実力」について講演をしていただきました。株式会社JCエンターテイメント代表取締役(CEO)金良信(キム ヤンシン)氏と株式会社バンダイゲームベンチャー 取締役朴相洙(パク サンスー)氏の2名です。

■金 良信(キム ヤンシン)氏のお話

 株式会社JCエンターテイメント代表取締役の金良信氏の講演からセッション1が始まりました。JCエンターテイメントはオンラインゲームを作り始めて6年という韓国のゲーム会社です。お話しいただいたのは、韓国におけるネットゲームの現状についてです。「ネットゲーム」の定義として「ネットゲーム」は何千人もロビーの入り口までは入るけれども、そこでいろんな人が出会って、4人ゲームなら4人だけがそれぞれの部屋に入ってするゲームであり、「オンラインゲーム」は何千人規模の人が入って、一万人以内で一つのゲームを同時に楽しむゲームだと解説していただきました。また、韓国と日本のゲーム文化の違いについて述べられました。その違いの背景には、安く利用できるインターネット環境があるということでした。
 講演のテーマでもあります韓国ネットゲームの実力として、ネットゲームのソフトの運用技術やサービス運用のスキル、多様なビジネスモデルがあると述べられました。24時間365日安定したサービスを提供する事は容易ではないのですが、そのような中、安定した運用を行っているという実績が韓国ネットゲームの強みであるということでした。その反面、ゲームそのものの想像力や企画力が弱いことが韓国ゲームの弱みであると指摘されていました。
 現在のネットゲームは6ヶ月ぐらいの寿命なので、これからの課題として1年2年の楽しみを与えるためにゲームの対象を細分化することが必要であると述べられていました。ゲーム市場はまだ開拓の余地があると思いますのでがんばっていきたいという意気込みも述べられていました。

■朴 相洙(パク サンスー)氏のお話

 金氏に続いて株式会社バンダイゲームベンチャー取締役の朴相洙氏が韓国ネットゲームの魅力と実力についてお話くださいました。株式会社バンダイゲームベンチャーは韓国でユーザー1000万人を抱える「ポトリス」を作った会社です。朴氏は韓国ネットゲームの現状を中心にお話くださいました。韓国におけるネットゲームの歴史について、詳しくお話しいただきました。世界のゲーム市場においては、ネットゲームの存在は小さいですが、韓国ではネットゲームが広く受け入れられいて、その背景にはPC房の存在があるという話もしていただきました。PC房とは日本ではインターネットカフェに当たるようなもので1時間から2時間の利用者が多く、4時間以上の利用者も多くいるそうです。PC房の数は2000件にものぼり、そこではチャットやネットゲームを楽しむ人が多いそうです。
 また、「コミュニティを活性化すること」がネットゲームにおいて重要であると考えていると述べられました。ネットゲームはゲームではなく、インターネットのコンテンツサービスであると考えているとも述べられました。そして、韓国のネットゲームの抱える課題としてビジネスモデルに合わせた製品を作ることが必要だと考えられると指摘されました。

■まとめ

 セッション1では韓国におけるネットゲームの現状についてお二方にお話をうかがい、日本の状況だけでは分かりにくいネットゲームの現状を理解することができました。また、「ゲームがサービス化したらどのようになるか、どのようなことが起きるか。」という興味深い問題を提起していただく結果になるなど、とても充実した講演でした。
1(次ページへ続く)

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