京都精華大学情報館見学レポート【福田】

 2000年7月1日に、京都精華大学に行ってきました。情報館の見学と情報館の館長の牧野圭一先生に、マンガ図書館やマンガ学会の設立に関してのインタビューが目的です。情報館とは、他の大学でいう図書館にあたるものです。まだ情報館自体ができて2年と半年しかたっていないだけあって、非常にきれいな建物です。

■牧野圭一先生へのインタビューの内容

 情報館内の2階のマンガコーナーの蔵書数と地下の少女マンガコーナーの蔵書数を合わせると、2万冊ある。これらはすべて寄付されたもの。またマンガだけでなく、評論誌も収集している。図書館にマンガコーナーをつくることは他の分野の先生方からも不安があったが、実際設立してみると人気も高く、学生たちもただ楽しむだけでなく研究対象としてマンガをとらえているようだ。新聞社などの取材も多い。今の記者たち自身がマンガ世代であり、マンガに対して非常に好意的であることが大きく影響しているだろう。
 アートとマンガは実際はつながっていてどこまでをマンガと定義できるのか、アニメーションはどこまでアニメーションなのかといったことや、ゲーム、マンガはよくメディアなどでたたかれるが、それはなぜか、マンガなどを正確にはかるものさしのようなものが必要だといったことをマンガ学会での争点にしたい。マンガやゲームは正しく評価されているのか、正しい評価をするためのものさしが必要である。
 「脳の中の幽霊」という本の中で、脳の中での自分のかんじは頭が大きく体も2頭身くらいだという話がある。そのかたちはまさにマンガの中に出てくるキャラクターそのものである。脳の中でのリアルな人間の格好というのはまさにマンガなのかもしれない。マンガのキャラクターは脳に非常に心地よい形であったとするならば、ますますマンガの研究は必要であろう。
 また、マンガはゲームと同じく日本が世界に誇る文化である。その経済効果も認めざるをえない。日本が世界に影響を与える事の出来る数少ないソフトウェアである。日本にはIT革命のコンテンツが足りないと言われているが、マンガをその中核にしたい。

■情報館について

情報館は各分野の壁を取り払った図書館の設計になっています。軽く説明すると、地下は書庫、1階はAVセンターで映画の鑑賞などが出来ます。2階は情報館メインフロアーになっていて、事務室や図書の自動貸出機があります。また3階は閲覧室になっています。 まず1階のAVホールで精華大学の学生で作成した情報館紹介のCD-ROMを拝見しました。これは、学生で結成されたサークル「マルチメディア研究会」が作成したもので、大学は期日や予算の決定以外注文をはさまず学生がその枠の中で製作したものです。内容は、公聴会などのイベント、ほんの貸出かたなどがおさめられています。また、館内は3Dウォークで紹介されています。これにつ

1(次ページへ続く)

  GO Back / Lecture